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424話

「ピンポーン!」

エレベーターのドアがゆっくりと開き、李大宝が中から歩み出てきた。スマホの連絡先リストの中である番号の上に指を置いたまま、眉をひそめて心の中で思案していた。

この電話、かけるべきか否か?

李大宝の指はその番号の上で宙に浮いたまま、表情が次々と変わっていく。その番号は神剣部隊白齐市分隊の隊長・岳啓龍のものだった。

前回、岳啓龍が自分の家に来た時、李大宝に連絡先を残していった。あの時は岳啓龍の肩書きが役に立ちそうだと思い、行政機関での権限も強いことから、もし自分が留置場に入るようなトラブルがあれば、岳啓龍に電話一本で解決できると考えていた。まさかそれが今、血盟の件で必要になる...