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360話

部屋のドアが少し開き、一人の影がゆっくりと病室に滑り込んできた。

その人物は病床に横たわる小芸のそばに立ち、蒼白い顔を見つめながら、手のひらには汗がにじんでいた。

あの小僧め、よくもあんな態度を取ってくれたな。もし……もしこの患者に何か不都合でも起これば、罪をすべてあいつに押し付けられるというものだ!

彼は手を伸ばし、ゆっくりと小芸の首に巻かれた包帯に近づけていった……

その時、突然病室のドアが開き、重々しい声が響いた。「劉君、何をしているんだ?」

劉という名の警察官は手が震え、慌てて引っ込めると振り向いた。そこには王放大隊長が病室の入り口に立ち、眉をひそめ、深い眼差しで彼をじっと見つめていた...