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358話

劉警官は病室に駆け込むなり、病床の傍らに立つ李大宝の姿を目にした。歯を食いしばり、心電図モニターに目を走らせると、心の中で冷笑した。

「よくもやってくれたな、小僧。案の定、患者を殺したな。これでどう言い逃れるつもりだ!」

彼は一言も発せず、李大宝に向かって足を踏み出し、拳を固めて李大宝の顔面に振りかぶった……

白髪まじりの白斉市病院の専門医たちは恐怖に顔を歪めた。

「やめなさい!」

「だめだ!」

「近づくな!」

だが既に遅かった。劉警官は余りに無謀に、一言も発さずに李大宝の傍まで走り寄り、その腕を伸ばし、拳が李大宝の顔に迫っていた。

そのとき、李大宝の指から最後の一本の銀針が素早く落ちた!...