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276話

李大宝は曲慶鈴の柔らかな体を抱きながら、部屋の入り口に立っていた。外では陳老吉がすでに扉の前まで来ているのが聞こえ、息をするのも忘れてしまうほど緊張していた……

陳老吉はドアの外にいるというのに、李大宝は今まさに彼の妻を抱きしめていたのだ。もしドアが開かれたら、それこそ大変なことになる!

曲慶鈴も驚いた様子だったが、一瞬の後、彼女は突然手を伸ばし、部屋のドアにカギをかけた!

外で鍵をかける音を聞いた陳老吉が、低い声で言った。「なんで鍵なんかかけるんだ?」

曲慶鈴は李大宝の肩に手を置き、軽く体を揺らして、外の陳老吉に聞こえることも恐れず、色っぽい嬌声を上げた。

李大宝は驚きのあまり固ま...