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274話

李大宝は壁の上に体を縮め、奥の間から聞こえてくる曲慶鈴の夢中になった嬌声に、思わず胸の内に邪な想いが湧き上がった。くそっ、この淫らな女め、わざとおれに聞かせてるんじゃないのか?

先ほど彼は完全に確信していた。不注意で窓から顔を覗かせた時、確かに曲慶鈴に見られたはずだ。それなのに、彼女はあの恥知らずなことを続け、さらにあんな淫らな声まで出している。この行動はあまりにも明らかすぎるだろう。

李大宝は心の中で考えた。この淫らな女は、さぞかし長い間男と関係を持っていないのだろう。今頃は頭の中がそういった欲望でいっぱいになっているに違いない。もしかしたら、本当に彼女を手に入れられるかもしれない!

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