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90話

「前回のことよ」

菲菲の目には諦めが浮かんでいるようだった。

「あの人があなたを恨んでるの。クラブの監視カメラであなたを見つけて、この学校の生徒じゃないかって疑ってる。だからあなたを狙って人を差し向けたのよ。あの女の子も多分、彼らの仲間だわ。ごめんなさい、私のせいであなたを巻き込んじゃって」

最後の言葉を口にする時、菲菲の瞳に一筋の謝罪の色が閃いた。

「大丈夫だよ。どうせ俺はここの学生じゃないしさ。それに君たちももうすぐ卒業するんでしょ?」

俺は何でもないように手を振った。

「今は君たちのことが心配だ。できるだけ早くここを離れた方がいいと思うぞ。奴らの毒牙にかからないようにね」

「それは大...