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70話

女子寮の方向へ向かって、私はまるで戦時中に連絡を取り合う地下工作員のように、様々な嘘をつき、様々な話しかけ方をして、ようやく彼女の部屋を見つけ出した。

「おばさん、入れてくださいよ。昼間ですし、何ができるっていうんですか!」寮の入り口で、管理人のおばさんが門番のように立ちはだかり、どれだけ言葉を尽くしても首を縦に振ろうとしない。

「昼間だからって悪いことができないわけじゃないでしょ?若いの、私だって若かった時があるのよ。そんな手には乗らないわ。ダメなものはダメ」おばさんは白眼を向けながら言った。

「おばさん、本当に命にかかわる大事なことなんです。お願いします」私は土下座する気持ちさえあっ...