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6話

「あっ!」

残念ながら、神聖な扉が開く瞬間を待つことはできなかった。というのも、五分後に突然バスルームから「あっ」という声が聞こえ、私は驚いて矢のように扉まで駆け寄った。「嵐姉さん、大丈夫?」

「わ、私、転んじゃった」中から悲痛な声が聞こえ、さらに「痛い痛い」という呻き声が続いた。言うまでもなく、かなり痛い転び方をしたに違いない。

「え?大丈夫?どこか打った?立てる?」私は立て続けに質問したものの、その扉を開ける勇気は微塵もなかった。

後日、これは嵐姉さんが私をからかうネタになってしまい、この話題が出るたびに、嵐姉さんは私にバカの烙印を押すのだった。

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