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51話

「これ、お前のか?」肖総がある腕時計を手にぶら下げていた。

「俺の……」思わず手首に触れると、くそっ、時計が外れていたことにすら気づいてなかった。

「お前みたいなクソ野郎だけだな、こんな露店の安物使うのは」肖総は突然、その時計を俺の顔に投げつけた。あまりの衝撃に避ける間もなく、目の端からねっとりした何かが流れ落ちるのを感じた。言うまでもなく、間違いなく血だ。

「肖総、本当に故意じゃなかったんです。あの時は肖総だとわからなくて…」足がガクッと崩れ、俺は肖総のベッドの前にドサリと膝をついた。そして顔に強烈な平手打ちを喰らった。

「てめぇのクソ親父がよ、ちょっと脅してみただけなのに、まさかお...