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377話

「李社長、わざとじゃないんです、私は…」

慌てて身をかわしながら、私は反射的に頭を抱えた。李暁雯が机の上にあった筆立てを手に取るのを見たからだ。まいったな、あれは黒陶の筆立てじゃないか。純粋な土で焼き上げたものだ。あんなもので頭を殴られたら、間違いなく穴が開いてしまうだろう。

「調子に乗ってるわね?約パ?約束するのは殴られることよ!」

李暁雯の手にある筆立ては結局降ってこなかったが、彼女の胸が大きく上下している。その揺れる豊かな胸の膨らみを見つめていると、口の中が乾いてきた。目が離せなくなり、あの夜、李暁雯の家での光景が脳裏によみがえる。あのとき思う存分味わっておけばよかったと後悔の念が...