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309話

「あんた?何やってるの?」振り向くと、私の横に息を切らせて立っている盼盼の姿が見えた。顔は青ざめ、まるで私を食いちぎりたいという表情だ。

「ついてきなさい」林盼盼は歯を食いしばり、怒りを込めて言った。

「おい、何するんだよ。まだ買い物終わってないんだぞ!」私は少し目を吊り上げた。こいつ頭おかしいんじゃないのか、今から支払いをしようとしてるのが見えないのか、わざとじゃまをしているとしか思えない。

「もういいから、早く来て。急ぎの用よ」林盼盼はそう言いながら、しきりに私に目配せし、私の手にあったカードを素早く自分のポケットに押し込んだ。それが余計に腹立たしかった。明らかに私の権限を奪ったじゃ...