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231話

ドアを開けた瞬間、私の心臓は喉元まで跳ね上がった。最初に目に飛び込んできたのは、仕切りに掛けられた真っ赤な大きなリボン。その鮮やかな色彩が部屋全体を彩っていた。

清潔。部屋全体がほこりひとつなく、ベージュ色の床は踏みしめるのがためらわれるほどだった。私はドア口に立ったまま、どうしていいか分からずに呆然としていた。

「入ってきなさいよ!」ハイヒールを脱ぎ捨てると、李社長は束ねていた髪をほどき、だらしなくソファに身を沈めた。

その光景を目の当たりにして、私はしばし見とれてしまった。あれほど高慢な李暁雯がこんな一面を持っているなんて、想像もしていなかった。

なるほど、どんな女性も「女の子」と...