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215話

「誰だ?」私の心臓がキュッと締め付けられ、拳を振り上げて殴りかかった。

「俺だよ」いとこが素早く私の手を掴んだ。

声を聞いて、ようやく安堵した。くそ、暗すぎて、さっきは顔が見えなかった。

「お前ら、もう帰ったんじゃなかったのか?」私は驚いて振り返ると、後ろにはさっきの兄ちゃんが立っていた。

「帰るわけないだろ。お前が降りてこなきゃ、俺が帰れるわけないじゃん」いとこは不機嫌そうに言った。「もう殴り込みに行くところだったんだぞ。ちょうどお前が降りてきてくれて助かった。どうだ?大丈夫か?あいつら何もしてこなかったか?」

「大丈夫、大丈夫。あの二人、まだ気絶したままだよ。死んでないよね?」私...