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201話

広い座席に横たわりながら、私は物思いに沈み、最近の出来事を整理しようとしていた。

就職してから、まだ何か価値のあることをしたとは思えない。唯一喜ばしいことといえば、童貞を捨てたことくらいだろう。

嵐姉と出会い、男としての味を知り、まるで帝王のような感覚さえ味わった。

だが、それがどうした?私の目的はそこにはない。私が欲しいのは出世であり、天下なのだ。

私に言わせれば、天下を手に入れれば、美人など心配いらないではないか。

「何人か人を集めて、今夜行動に移すわよ」駅を出ると、嵐姉は手早くタクシーを拾った。

「何の行動ですか?」私はすぐに反応できなかった。

「今夜必ずあれを取り壊さないと。これが相...