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143話

「お兄さん、本当に初めてなの?」少女の仕草は優しく、その声はヒバリが歌うかのように、とても愛らしかった。

「俺は……」どう答えるべきか迷った。初めてじゃないと言えば、さっきのあまりにも短い時間が恥ずかしすぎる。かといって初めてだと言うのも、その嘘をつくのは気が引ける。何より、この歳になっても童貞だなんて、噂になったら格好悪いじゃないか。

女の子なら、「なんて素晴らしい子、貞操を守っているのね」とか「きっといい家に嫁げるわ」なんて言われるだろう。でも男だったら、「お前、病気か?」と思われるだけだ。

血気盛んな青年が、どうして処理されていないんだ?彼女を作る能力がないのか、それとも単にその実...