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74話

香りのよい潤滑用の軟膏を丁寧に塗り広げた。

我慢しながら、ゆっくりと、少しずつ彼の体の中へと入っていった。

「あっ——あぁっ——」衛苒が悲鳴を上げる。

動きを止め、彼が慣れるのを待った。

「痛い——兄さん——痛いよぉ」彼は私の肩に噛みついた。

「もう少し我慢して、いい子だから、すぐに痛くなくなるからね」私は彼をなだめながら、ゆっくりと動き始めた。

「あぁっ——あぁっ——兄さん——兄さんっ——」彼は叫びながら泣き始めた。

私の動きはだんだん早くなり、力も増していく。彼は私の下で震えながら甘い声を上げていた。

初夏の季節、中庭のバラが棚一面に咲き誇り、花の香りが空気に漂い、人を酔わせる。月の光が窓...