「彼は幼い頃から芝居の一座に身売りされた少年、衛栄。彼は拾ってきた小さな石ころ、衛冉」

初めて出会った日、彼は相手の顎を指で挟み、からかうように言った。

「この瞳は本当に綺麗だね。私について来る気はないかい？」

初めて舞台で芝居を演じた時、彼は風采の良い賈宝玉、彼は仙境の花のような林黛玉。彼は情感溢れる眼差しで、魅力的に低く歌った。

「私こそが多愁多病の身、君こそが国をも傾ける美貌」

乱世の中での漂流、民国というあの特別な時代、戦火が飛び交う中。再会したとき、彼は京城の権力者に仕える妖艶な男妾、彼は京城で名を轟かせる越劇の看板役者。

「僕は自分勝手な人間でね。一度僕の世界に入ったら、絶対に他の誰かの世界に現れることは許さないよ」

「まあ、なんという偶然。私もそうなのよ」

男妾

私と衛染は京城で名を馳せた役者となり、さらに袁少爺と何夫人の後押しもあって、私たちの価値は倍増した。養父は確かに劇場の経営者と給金の額について相談してくれたようだ。
袁少爺は私をとても重んじてくれて、毎回来るたびに、たくさんの銀貨を恵んでくれた。彼はかつて京劇の有名な役者たちの収入についても話してくれたことがある。経営者は当然目が利くので、私と衛染の月給は一気に一人あたり月2000大洋にまで上がった。姉さんも小月菊を通じて多くの高官や軍閥と知り合いになり、彼女の芝居を見るために来る金持ちも少なくなかったため、彼女の月給も1500大洋にまで上がった。
この金額は私たちにとって想像もできないほ...

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