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213話

春の節句が過ぎ、三月も終わりに近づき清明節が近づくころ、白影はすっかり骨と皮だけになり、意識も朦朧として誰のことも認識できなくなっていた。幻聴が始まり、空に向かって話しかけては罵詈雑言を吐き散らし、近所中を騒がせていた。

「もうどうしようもないわ。早く連れて行ってあげて」姉が泣きながら電話で訴えてきた。

私も心を痛め、梓楓に相談した。

「うちの台南の農園はどうだろう。広いし、静かで環境も良い。自然に囲まれた山水の地だ。お姉さん達にそこに引っ越してもらったらどうかな」梓楓が言った。

私は喜んで、すぐに白帆に車で姉と白影を農園へ連れて行ってもらった。

姉の麺店はすでに手が回らなくなってい...