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128話

夕方になって、衛苒はようやく目を覚ました。彼が目を開けると、私がそばに寝転んで本を読みながら彼に付き添っているのを見て、すぐに嬉しそうに笑った。

「お兄ちゃん、本当にいるんだね、本当に。何日も夢の中でお兄ちゃんに会ったけど、起きるとそこにいなかった。閉じ込められてた間、お兄ちゃんが恋しくて、声が枯れるほど泣いたんだよ」

私はそれを聞いて胸が痛み、思わず彼を強く抱きしめた。

あの時から、私は本当に守ってくれる存在を求めることがどれほど大切かを知り、林梓楓についていく決意を固めたのだ。

「苒、愛しい子、今回は本当に林梓楓に感謝しなきゃいけないよ。彼があなたの命を救ってくれたんだ。命の恩は、...