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111話

次の日の朝、私は寝坊してしまった。ベッドの横を振り返ると、林梓枫の姿はもうなかった。

私は自分で洗面所へ行って身支度を整え、窓を開けて涼しい朝風を浴びた。

突然、軽いノックの音。

「どうぞ」振り返ると、一人の侍女が入ってきた。小墨ではない子だった。

「坊ちゃま、朝食をどうぞ」彼女が丸いティーテーブルにトレイを置くと、私は白い椅子を引いて座った。

トレイには松の実とクルミが入ったサツマイモのお粥、ゴマ入りの焼き餅、そして冷やした竹の子ときゅうりの和え物が載っていた。さっぱりとした味付けで、私の口に合っている。

私は機嫌よく朝食を食べ始めた。

「どうして君が食事を運んできたの?小墨は...