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710話

「あらぁ、私たち二人きりなんだから、まずはゆっくりおしゃべりしましょ?おしゃべりの後でそのスマホいじりでも遅くないわよ!」と彼女は甘えた声で言った。

顧若彤はそう言いながら、さりげなく自分の手を私の手に重ねてきた。その瞬間、私の体に震えが走る。

なんだこれは!普段は俺が女を口説くのに、今日は逆だなんて!

しかも、この開放的な女に触られて、俺、なんだか感じちゃってるし!

私は足をきゅっと閉じ、笑いながら顧若彤に説明した。「藍月が心配するといけないと思って…」

実は私の頭の中では、藍月の名前を出せば、さすがにこいつも俺に手を出す気になんてならないだろうと思っていた。

俺にはもう相手がいるんだぞ!

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