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675話

私はあっという間に木に登り、飛び降りると、さらに素早くシュリンのバルコニーの前の大木に登った。そして、先ほど庭で手に取ったバラの花を一輪差し出した。「君にあげる!」

シュリンは木の上に座った私から差し出された花を呆然と見つめ、私の身のこなしの良さに目を丸くした。「どうしてそんなに身のこなしがいいの?」

「日頃の鍛錬さ!」私は笑いながら言った。彼女が受け取らないのを見て、花を口にくわえ、軽やかに木から身をひるがえし、なんとそのままバルコニーへと飛び移った!

こんなにも身のこなしが軽やか!なるほど、あそこもあんなに逞しいわけだ!

シュリンは一昨日見た私の逞しい体つきを思い出し、さらに昨日、...