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299話

蘭おばさんは片付けながらそう言い、靴を履いて玄関のドアを開けようとした。

ベランダで日向ぼっこをさせられていた私はすぐに焦った。蘭おばさんが行ってしまったら、トイレに行きたくなったらどうしよう?

慌てて声をかけた。「おばさん、まだ帰るのは早いよ。先にトイレに連れて行ってくれない?」

その言葉を聞いて、ちょうどドアを開けようとしていた蘭おばさんは一瞬固まった。

でもすぐに、トイレまで連れて行くだけならいいかと思い直し、納得した様子になった。

「じゃ、じゃあいいわ」

蘭おばさんは少し頬を赤らめながら、私を車椅子で押してトイレの前まで連れて行き、立ち上がらせ、トイレの中まで支えて歩かせた。...