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289話

「二人の女性が喧嘩するのが怖いわけじゃない。ただ、晴ちゃんがこの件で俺に対する印象を変えて、何人もの女を手玉に取る浮気男だと思われるのが怖いんだ。

俺が良い男じゃなくて、感情を注ぐ価値がないと思われたら、それこそ最悪だ!」

そう考えると止めようとしたが、晴ちゃんはもう寝室に入ってしまった。

部屋を一瞥すると、彼女はまっすぐクローゼットに向かい、ドアを開けた!

終わった!これで完全に終わりだ!

心の中で悲鳴を上げながら、俺は目を手で覆い、この先の展開を見る勇気もなかった。

一秒、二秒...十秒が経過しても、部屋は静まり返ったまま。その静けさが不安を掻き立てる。

好奇心に負け、指の隙間から覗くと、...