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288話

章雲雲も事態が急を要することを知っており、何も言わずにすぐに体を起こして寝室へ駆け込んだ。

彼女がクローゼットに隠れてから、私は部屋を見回し、怪しいところがないことを確認してから、ドアへと向かった。ドアスコープから外を覗くと、思わずほっと息をついた。

来たのは妻でも蘭おばさんでもなく、小晴だったからだ!

「小晴、どうしてきたの?」

私はドアを開け、愛らしく立っている小晴を見ながら、平静を装って言った。

その言葉を聞いて、小晴は可愛らしく不満そうに私を睨んだ。「なに?私が来たの歓迎じゃないの?」

「歓迎してくれないなら、今すぐ帰るわよ」

そう言って、彼女は去ろうとする素振りを見せた。

それを見た...