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232話

今のしおりはまるで屠殺を待つ子羊のようで、人の憐みを誘うと同時に、男の蹂躙欲を瞬時に掻き立てるものがあった。

「うん、これでいいの?」しおりは少し不安げに身体を動かし、頬には細かい汗の粒が浮かんでいた。

私はそれを見て胸の内に熱いものが広がったが、すぐに立ち上がった。「今から、ちょっと買い物に行ってくる。あ、言い忘れてたけど、部屋のドアは開けっ放しにしておくよ。買い物が終わって戻ってくるまでね」

「このバカ強子」しおりは一瞬もがき始めたが、私の足音が部屋から遠ざかっていくのを聞いたのか、ふと「うぅ」と声を漏らし、落ち着きを取り戻した。

静寂に包まれた部屋で、目隠しをされ何も見えない彼女...