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231話

小晴の息遣いが、必死に抑えようとしていても、とても荒くなっているのが聞こえた。実を言うと、私も少し口が渇いていた。こんな大胆な行為は初めてのことだ。エレベーターの入り口にいる二人の男が振り返ってこの光景を目にするのではないかと恐れていたが、同時に彼らに見られたいという欲望も感じていた。

小晴の胸に伸ばした手は少し震えていたが、触れた瞬間、彼女が唇を強く噛み、柔らかく私の腕の中に倒れ込むのが見えた。

これらすべては、ほんの一分もかからない出来事だった。二人の男が自分の階に着き、振り返りもせずにエレベーターを出て行くまで。

私と小晴は思わず同時に大きく息を吐いた。しかしその時、ふと気づいたの...