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229話

この話を聞いて、ようやく小晴が自分の過去の行動に少なからず引っかかりを感じていたことが分かった。

考え込んでいる最中、前方からスマホを見ながらゆっくり歩いてくる男性が目に入った。すかさず思いつき、私は言った。「今から、目を閉じて」小晴はまばたきをして、にっこり笑いながら瞳を閉じた。けれど片手はまだズボン越しに私のそこを挑発するように触れ続け、私に密着した彼女の体はわずかに熱を帯びていた。

徐々に近づいてくる男性を見ながら、胸の内が熱くなった。私は突然、小晴の上着の肩紐の首元から、ゆっくりと手を差し入れた。

指先が小晴の胸元の肌に触れた瞬間、彼女の体がわずかに強張るのを感じた。固く閉じた瞼...