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987話

「少し考えてから、俺は続けた。『皆、中に入ったら電話で連絡を取り合って、全員が同時に車から降りるようにする。終わったら、皆を連れて村の入り口に向かって走り、車の前に集合だ。出発するぞ』」

「低い声で号令をかけると、俺たちは一団となってコンクリートの道を小庄村の中へと進んでいった。今はまだ7時前で、辺りは暗くなりつつあった。この村を訪れる人はほとんどいないようで、道路には車一台見かけなかった」

コンクリート道路の両側には温室ハウスが並び、中には野菜が栽培されていた。白菜やキャベツのようなものばかりだ。

「村の入口に着くと、俺たちは別れた。俺とウズラは一緒に行動し、二人で小道を奥へと進んでい...