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311話

「俺について来てくれる人が欲しいんだ。勇気をちょっとくれるような人」

「おととい一度行ったんだけど、彼女の家の前で立ち尽くして、やっぱり諦めきれなくて帰ってきた」

俺は頷いて、いいよと答えた。

彼のCCセダンに乗り込むと、彼はハンドルを二回切り、片足はクラッチ、もう片足はアクセルを踏みながら、急にクラッチを放した。車から鋭い摩擦音が響き、弾丸のように飛び出した。

「うわ!てめぇ、俺を道連れに心中させる気かよ?」

冷や汗が噴き出して、思わず罵声を上げた。

李海は半分吸った煙草を口にくわえたまま、ふてぶてしく言った。「事故ったことなんてないから、安心しろよ。こうやって発散しねぇと、俺、マジで狂いそ...