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300話

全部取り出して、ベッドの上に広げた。

「二十三万の現金が、まさに小山のように積み上がっている。俺はその金の上に腹ばいになり、貪るように一息吸い込んだ」

今の社会では、金こそが万能だ。金があれば全てを手に入れられる。貧しさに怯えた者だけが、その匂いの本当の意味を理解できる。その香りに、目が眩み、全身が震えた。

今夜は、この金を敷いて眠ってやるぜ。

「明日の朝一で、この金を自分の口座に入れなきゃならない。つまり、この現金と過ごせるのはたった一晩だけってことだ。この先、一生でこんなにたくさんの金を目にすることはないだろう」

「一晩中ろくに眠れなかった。三十分おきに目を覚まして、金がまだあるか確認して...