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1366話

「彼らをこの世界から離れさせろ。お前にはその力があるはずだ。しかも、やり方は簡単だろう。お前が約束してくれるなら、俺は何でもする」

兄の顔に特に表情はなく、ただ口元に微かな笑みが浮かんだ。

「まず彼らが退きたいかどうかは置いておいて、彼ら自身のことを考えてみろよ。足は自分についているんだ。離れたいなら、いつでも離れられる。そこに俺が口を挟める余地はない。俺は周りの人間に、やりたくないことを強制したりはしない」

「彼らが離れるというなら、一人ひとりに十分な金を渡すこともできる。結婚して子どもを育てるのに十分な額をな。正直に言うが、この件については、俺にできることはそれくらいしかない」

兄...