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1233話

「おい、聞いてくれ」黒犬は顔色を変え、声を潜めた。「お前らが俺を兄貴と思うなら、言う通りにしろ」

「わかった、約束する。お前が彼女たちの居場所に連れて行けば、お前の仲間は解放してやる」

私は黒犬を見つめ、感情が激しく揺れ動いていた。

黒犬が私を見据えた。「お前は誰だ?お前に決定権があるのか?責任者を出せ」

私は慌てて頭を何度も縦に振った。心臓が激しく鼓動している。生き残っているのが誰であれ、無事に連れ帰らなければならない。「ある、決定権はある。俺が言ったんだ、お前の仲間を解放すると。人さえ見つかれば、約束通り解放する」

黒犬は傲慢に笑い出した。

「何をぼさっとしてる、早く行くぞ」

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