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1138話

当時、私は自分の楽しみに没頭していて、外の様子に全く気づいていなかった。トイレの電気をつけていなかったので、外から見れば中に誰もいないように見えたはずだ。

まさに我慢の限界に達していた時、トイレの外で軽い足音が聞こえた。頭が「ぶわっ」と鳴り、あわてて例のものをしまおうとした瞬間、トイレのプラスチック製のドアが開かれた。

「このドアの鍵は壊れていて、中に人がいることを知らせるには、軽く閉めておくだけでよかったんだ。でも萱萱はトイレの中の気配に気づかず、明かりも見えなかったから、そのままドアを開けてしまった」

「唐突に、薄暗いトイレで目と目が合い、私は呆然と立ち尽くした。そして『ごくり』と唾...