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1130話

エレベーターを出てすぐ、私はスタッフを呼び止め、ポケットから取り出した玉の飾りを彼に手渡した。

「あなたの譚社長はいらっしゃいますか?彼に伝えてください。ある……うーん」少し考えてから続けた。「友人が会いたいと言っていると。この玉を渡せば、彼が私のところに来てくれるはずです」

スタッフは玉を受け取り、笑顔で応じた。「かしこまりました。少々お待ちください」

私は適当なソファに腰掛け、フルーツジュースを注文して、ゆっくりと待つことにした。

数分もしないうちに、エレベーターのドアが開き、金縁の眼鏡をかけたスーツ姿の男性が急ぎ足で出てきた。すぐに私の方へ視線を向けてきた。先ほどのスタッフがその...