裏事情

156話

聞こえてきた話があまりにも順調すぎて、かえって疑わしく感じた韓釗は、少し考えてから、一日会う日を延期した。電話を切ると助手に頼んでこの会社の背景を調査させたが、怪しい点は見つからなかったので、ようやく約束通りに会いに行くことにした。

会社は外灘センターに入居しており、バウハウス様式の内装と家具が施されていて、ペーパーカンパニーには見えなかった。

彼を迎えた法務担当者はとても親切で、会社は以前深センで同様の案件を多く扱ってきたが、地域によって裁判官の判断基準が異なるため、上海の状況についてはなんとも言えないと話した。

韓釗は彼らが以前扱った類似案件をいくつか見て、細部について法務担当者と議...