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910話

屋敷の外で、ソールは全ての傭兵団員を率いて来た道を引き返していった。当初は暗殺や夜襲など、あらゆる手段を使って大騒ぎを起こしていた傭兵団だったが、結局は鼻っ柱を折られて悔しそうに立ち去るしかなかった。

言ってみれば、司雀は彼らがむなしく感じるのも無理はないと思っていた。しかし、これは同時に一つの事実を証明していた。もしも今回の一件が趙三斤の存在なしに起きていたら、この戦いの結末は予測し難いものになっていただろう。

「このガキ、今回は本当に感謝しなきゃならないな!」ソール達が去った後、組織の中核メンバーたちが大広間に戻ってきた。相変わらず最前列の席に座っていた司雀は、冗談めかした様子は微塵も...