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904話

屋敷の正門から最も近い茂みまでの間には、十数名の狙撃のエキスパートが潜んでいる。趙三斤も所詮は血肉の体。このままずかずかと出て行くなんて、趙三斤としては、あと数十年は長生きしたいところだった。

「バレット M109はどうだ?お前の目に適うか?」上座に座る司雀は趙三斤の空白の履歴書に記されていない年月が何をしていたのかは知らなかったが、一つだけ確信していることがあった。それは趙三斤が必ず軍隊に所属していたということだ。

バレットは他人の手にかかれば単なる殺人兵器かもしれないが、趙三斤の手にあっては、命を刈り取る死神の鎌と表現する方がふさわしいだろう。

「M109ですか?叔父さん、本当にその...