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872話

島国の首都にある海沿いの山脈の端、たった百メートル入ったところに広大な豪華な屋敷があった。今も敷地内に集まっている千人の部隊はまだ解散していなかったが、以前の一万人を超える群衆に比べれば、はるかに少なくなっていた。

屋敷はもちろん佳吉組の本拠地であり、今残っている千人ほどは、ただ屋敷の外の戦場跡を片付けるためだけにいた。百メートル先に隠れていた千人の軍隊も、鈴木三郎の指示を受けてすでに撤退していた。

しかし屋敷内の一室、会議室の中の雰囲気はまだピリピリとしており、油断すれば再び大きな争いが勃発しそうな緊張感が漂っていた。

会議室の上座に座っているのは相変わらず中性的な上官宮崎で、その傍ら...