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833話

「玉帯の開始価格は一千万、一回の入札は百万以上となります。」オークション会場の声がまた響き渡った。以前と同じように、ただ価格を告げただけで、それ以上の説明はなかった。

一千万の玉帯、趙三斤はこれが世界で最も高価な玉帯だろうと思った。しかし趙三斤は知らなかった。かつて裴度がこの玉帯を利用して名を変え、落ちぶれた書生から晋国公へと上り詰めたという。その意味するところは言うまでもない。

もちろん、先ほどの天叢雲剣と同様に、これもただの伝説に過ぎない。具体的にどういうことなのか、誰も知らない。ただし天叢雲剣と同じく、両方とも記録に残っている点は共通していた。

趙三斤がお金の問題を考えている一方で...