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815話

別の国、別の土地ながらも、変わらぬ人々、相変わらずの深い山と森。趙三斤たち四人は長い旅路を経て、ようやくこの国の最初の都市にたどり着いた。

広くはないものの、独特の風情がある。特徴的な建築様式、異なる肌の色の人々、そして温かいもてなしの気質。趙三斤たち四人は何の違和感も覚えなかった。

故郷に戻ったという感覚ではないものの、彼らの顔には明るい笑みが浮かんでいた。

「まずは何か食べるところを探そう。ついでにシベリアへの経路も調べておこう」趙三斤は行き交う人々が時折投げかけてくる好奇の目に気にする様子もなく、ただ黒豹に小声で一言告げた。

適当に見つけた、それなりに格式がありそうな小さな食堂に...