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797話

「こんなに信頼してるのに、私を裏切るわけないよね?」

「何の用だ!」三宝殿に無用の訪問なし、趙三斤が秦宛柔の電話番号を控えてから今日まで、これが前代未聞の初めての自発的な電話だった。何も頼みごとがないなんて言われても、秦宛柔は死んでも信じないだろう。

趙三斤が荊北路の件について話し始めようとした矢先、秦宛柔が先回りして付け加えた。「他のことなら何でも構わないけど、今回あんたが全省指名手配されてる件だけは助けを求めないでよ!」

「全省指名手配?」趙三斤は眉を上げ、確認するように問い返した。

「そうよ、あの燕京から来た生意気な女のせいで、市内の指名手配だけじゃ足りなくて、全省指名手...