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780話

趙三斤が食事をしていた場所から義字街までは、たった二十分ほどの距離だった。マイバッハを安全な場所に停めた趙三斤は、すでに位置を報告してきた火龍を見つめ、口元の冷笑にさらに冷気を帯びさせた。

義字街は、趙三斤が想像していたような繁華な通りではなく、古い町並みの老街だった。ここを訪れるのは主に観光客だが、今は何故か人影もまばらで、誰かに追い払われたのか、それとも別の理由があるのか分からなかった。

古い石門には「義字街」という三文字が彫られており、すでに歳月の侵食による損傷が見られた。しかし、その古さゆえに、この通りが持つ濃厚な義気の雰囲気をより一層感じさせていた。

石門の下に立つと、趙三斤は...