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690話

立派に設えられた大舞台の上、柳浄天は満面の笑みを浮かべていた。六十歳の誕生祝いとはいえ、実際は五十九歳。江海市ではある言い伝えがあった。男性は「九を祝うが十は祝わない」というもので、五十九歳の誕生祝いは、実質的には六十歳のために催されるものだった。

宴が始まると、重厚な大扉がゆっくりと開かれた。趙三斤の視界に入ってきたのは、見たこともない中年男性。見たところ柳浄天と年齢が近いようだが、その顔を覆う薄い氷のような表情は、とても冷たく感じられた。

「来るものは善からずだな」趙三斤はちっと舌打ちし、首を横に振った。

柳浄天の周りには、杯を交わそうとする人があまりにも多く、火龍でさえ行けば大人し...