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619話

宝石店を出た趙三斤は孫柔を連れてさらに町を歩き回ることはしなかった。時間がすでに午後三時か四時頃になっていたというだけでなく、それ以上に孫柔が必要としているものは、趙三斤の考えでは、ほぼ全て買い揃えたからだった。

ただ、デパートを離れる前に、趙三斤は孫柔にもよく理解できない行動を取った。それは趙三斤が不思議そうに微笑んだ後、すでに孫柔の手に握られていた指輪を、再び取り戻してしまったことだった。

趙三斤は多くを語らず、孫柔も当然ながら詮索しなかった。孫柔にとっては、趙三斤がお金を使って彼女のために買ってくれたのなら、それは間違いなく自分のものだ。趙三斤が一言も言わずに取り戻したのは、きっと何...