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595話

言葉が終わるや否や、東少は躊躇することなく、ズボンのポケットから携帯電話を取り出した。タッチスクリーンを少し操作してから、電話を耳に当て、顔に浮かんでいた険しい表情を必死に抑え込み、最終的には下品な笑みを浮かべて止まった。

「お、俺……俺、俺は東子だけど、龍少か?」

「俺だ、てめぇ誰だよ?」

「お、俺、俺は……東子だよ、劉東だよ、龍少、覚えてるか?」

「キチガイか……」電話の向こうで、火龍は半分息を詰まらせながらもろくに言葉にできない劉東に、不機嫌そうに罵声を浴びせると電話を切ろうとした。誰だって火龍の愛の営みを邪魔されたら腹が立つに決まっている!

「龍少、実は今あなたの『龍行天下』...