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553話

劉兄のようなレベルの小物のチンピラには、趙三斤はそもそも面倒を起こす気にもならなかった。手を出すことさえ無駄だと思っていた。指を一本折ったのは、ただ孫飛虎という男が、チンピラや不良、ゴロツキの類いではあるものの、多少なりとも是非をわきまえる男だと思っていたからだ。

劉兄のような、目の中に金しかなく、出稼ぎ労働者が給料を受け取ることがどれほど困難かなど一切気にも留めないような小物チンピラなら、指一本折るくらい、せいぜい孫飛虎の部下を代わりに懲らしめてやったという程度のものだった。

「ぎゃああっ!」劉兄の豚を絞めるような悲鳴が店の周囲に響き渡り、その場にいた全員が思わず背筋を凍らせた。

店の...