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1173話

今、すでに大きな木に立っていた白も急に振り向き、気配がますます強大になっていく黒龍を見て、その老いた顔に幾分か重々しい表情を浮かべた。

白遠はよく知っていた。黒龍の力は虚から実へと変化する過程が必要であり、もし時宜を得て阻止できなければ、彼の立場は不利になるだろう。これは彼個人にとっても、チーム全体にとっても、間違いなく良くないことだった。

白遠は全身の力を拳に集中させ、地魔老人に向かって一撃を繰り出した。相手の境地は自分よりやや上だが、白遠は自分のスピードにおける造詣は地魔老人の及ぶところではないと自負していた。だから、白遠はこの一撃に十分な自信を持っていた。

力を溜め続ける地魔...