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94話

大斉の王子は笑みを消し、「唐謙は我が大斉の未来の君主を死に追いやった」と言った。

「だが、古教はお前に彼に手を出す権利など与えていない」燕浮生は言った。「大事を台無しにすれば、お前の大斉も滅ぼすだけだ」

唐浅は燕浮生がこれほど冷たい口調で話すのを見たことがなかった。もはや彼女には、かつて梧桐城の宮中で虐げられていたあの少年だとは思えなかった。

今の燕浮生は殺気立ち、その威厳は、彼女を万劫の底に突き落とそうとしていた白凛さえも恐れをなすほどだった。

しばらくして、白凛は妥協した。「では聖子のお言葉に従いましょう」

唐浅は麻薬の効果なのか、白凛の燕浮生への呼び方に違和感を覚えた。

燕浮...