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9話

「とりあえずはこれで行くしかないわね」唐浅が言った。「明日の夜、楼先生との約束を取り付けておいて。宮中から戻ったら訪問するわ」

楼鑰紫は半年前に大昭の帝都に商会を開いており、唐浅とも何度か書簡をやり取りしていたので、唐浅はそのことを知っていた。

楚陳は承知したと答え、先に長寧府へ戻って明珠錦を取りに行った。唐浅は一人で執事について唐老相爺に会いに行った。

唐老相爺は年を取り、時々物忘れがあったものの、昔日の威厳はまだ健在だった。自分の孫が無事に目の前に立っているのを見て、北方での修行で想像していたほど逞しくなっていなかったものの、貴族の若君としての優雅な立ち振る舞いと輝かしい戦功に、唐老...